インタビュー
2025.01.09
メディア芸術学科
アニメーション作品を完成に導く
「撮影」という仕事に惹かれ、その道を志しました。
※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

平山 一光さん
映像表現学科 アニメーションコース
私立三田学園高等学校出身
株式会社CygamesPictures内定
- 編集部
- 神戸芸工大に入学を決めた理由は?
- 平山
- 子どもの頃からアニメーション作品が好きで、中学生と高校生の頃から趣味で映像の編集や絵を描いていました。大学の進路を考えたときに、これまでの自分の経験を生かせる分野は、アニメーションかもしれないと思い、アニメーションを学べる大学を調べました。神戸芸工大は、「アニメーションを専門としたコースがある」ことに惹かれ、また、少人数制で先生に相談や質問をしやすい環境という点にも魅力を感じて進学を決めました。
- 編集部
- 実際に神戸芸工大に入学して良かった点はありますか?
- 平山
- 授業で商業アニメーションの制作について、体験しながら学べたことですね。特にグループを組んで作品を制作する授業では、制作の流れやコミュニケーションの重要性、担当した役割について深く学ぶことができました。
- 編集部
- グループ制作は、どのようなことが行われたのですか?
- 平山
- 2、3年生合同でチームを組み、短編作品をつくりました。この授業では、企画から制作まで、全ての工程を自分たちで担当します。初のグループ制作、初の監督、初のアフレコ作業など、なにもかもが初めてづくし。チームメンバーには作画が上手い人、撮影が得意な人、取りまとめるのに長けている人など、それぞれが異なるスキルや個性を持っているため、お互いの意見を尊重し、協力し合うこと、コミュニケーションを取ることが重要になります。さらに、スケジュール管理や進捗状況の共有もスムーズな制作進行に欠かせません。この経験を通して、チームワークの大切さだけでなく、自分の意見をしっかりと伝え、相手の意見を聞き入れることの重要性も学びました。

- 編集部
- では、就職活動はいつごろから、どのように始めましたか?
- 平山
- 3年生に入ってすぐにポートフォリオを制作することから始めました。
- 編集部
- そのポートフォリオがこちらですか?
- 平山
- そうです。何を表現したいのか、そしてそれをどのように表現するかという点に注意して、制作しました。尊敬する撮影監督の方から「表現したいものへの向き合い方やこだわる姿勢が大切」と教わったことを心に留め、作品に込めた想いをしっかりと伝えられるよう努めました。表現方法を伝えるために画像と文章の配置にもこだわったことがポイントです。情報量が多すぎると視認性が低下し、逆に情報が少なすぎると意図が伝わりにくくなってしまうため、視覚的な要素と文章のバランスを慎重に調整し、最も効果的にメッセージを伝えられるよう工夫しました。
また、在学時のグループ制作で僕が監督兼撮影を務めた作品も一緒に提出しました。これは、「学校のロッカー」というお題をもとに作った作品で、実写の素材やテクスチャを駆使し、奥行きのあるリアリティ溢れる映像表現を目指しました。特に、ロッカーを開けた瞬間の驚きを表現するために、カメラワークや音響効果にこだわり、視聴者を作品の世界に引き込むことを意識しました。

- 編集部
- 就職活動をスタートするにあたり、どのような職種に興味を持ち、進みたいと考えていましたか?
- 平山
- これまでのアニメーション制作を振り返り、自分が一番楽しく、やりがいを感じたのはアニメーション制作の「撮影」だと感じ、その分野を中心に企業リサーチにあたりました。
- 編集部
- 具体的に「撮影」のどのようなところに惹かれましたか?
- 平山
- アニメーションの「撮影」とは、様々な工程を経て作られた素材を組み合わせて、ひとつの映像にまとめるという、いわば最後の仕上げの工程だと考えています。単に素材を並べるだけではなく、そこに光や影、動きを加えることで、作品に深みを与え、見る人に感動を与えることができるところが魅力です。例えば、あるシーンでキャラクターの表情をより強調したい場合、光の当て方や色味を調整することで、感情をより深く表現することができます。このような細かい調整を通して、作品に命を吹き込むことができるところが、この仕事の大きな魅力だと思いました。作業を通じて、自分がつくった作品が完成していく過程を見るのが、とても楽しいんです。

- 編集部
- 内定先との出会いのきっかけ、志望した理由は何ですか?
- 平山
- 僕が長年遊んでいるゲームがアニメ化すること知り、「どこが制作するんだろう」と制作会社を調べたことが出会いのきっかけです。この企業に進みたいと強く思ったのは、制作される作品の撮影処理に魅力を感じたからです。僕は撮影をはじめとした、デジタル作業によって与えられるエフェクトなどがたくさん使われた作品が好きで、特に内定先のCygamesPicturesの作品におけるエフェクトの扱いが好みだったため、「ここでこの技術を学びたい」と考えるようになりました。また、同社はアニメ会社としてまだ若く、新しい試みや、自由度の高いものづくりができるのではないかと考えたのも志望した理由のひとつです。
- 編集部
- 就職活動を通じて、自身で成長を感じたところはありますか?
- 平山
- 「挑戦する」という精神が身についたように感じます。撮影職を目指すようになったのが2年生の後期終盤ということもあって、撮影について学んだ期間が短いことが気になり、あまり自信を持てていませんでした。でも、自信がないから……と言う理由だけで応募しないのはもったいないと考えを改め、「当たって砕けろ!」の精神で挑戦したところ、見事内定をいただけました。この経験を踏まえて、想像と違う結果になるかもしれないのだからまずは挑戦してみることが大切であると強く感じました。学生生活の中で多くの作品をつくってきたのなら、そこにあるこだわりなどが評価されこともあると思います。何事も、まずは挑戦。この経験を就職先でも活かせるようにがんばりたいです。
- 編集部
- 内定先での現在の目標や将来やりたいことを教えて下さい。
- 平山
- まだ撮影を学びだして日が浅いということもあり、撮影から目指せる様々な業種に興味をもっています。現場で撮影について学びながら、自分がより意欲的に取り組めるポジションを見つけることが現在の目標です。
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