インタビュー

2019.03.19

生産・工芸デザイン学科

北海道から神戸へ!
私がパタンナーに目覚めた理由。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

吉崎 陸さん

ファッションデザイン学科ファッションデザインコース (2019年3月卒業)

ファッションメーカー パタンナー

編集部
北海道出身なのに、なぜ東京よりも遠い神戸の大学を選んだのですか?
吉崎
東京でファッションを学ぶって、王道な気がして。人と違う道を行きたくていろいろ調べていたら、神戸がファッション都市宣言をしていると知って。神戸の大学で学びたい! と思ったんです。
編集部
入学前から服づくりの経験はありましたか?
そもそも、なぜファッション系の進路を志望したのですか?
吉崎
服は好きだったけど、つくったことはなかったです。高校は普通科で、ものづくりの経験もありませんでした。でも将来の進路を考えたとき、好きなコトを極めて手に職をつけたいという気持ちがわいて、ファッションが好きなので服飾系を学ぼうと決めたんです。
編集部
入学当初はものづくりの経験がないことに不安もあったのでは?
吉崎
1年のとき、スタジオでガンガン服づくりをしている先輩が手の届かないスペシャリストに見えて。自分もこんな風になれるのかな、やっていけるかなって、不安でしたね。ファッションに関しては自信があって、服が好きだからつくるのも上手くできるはずだと思っていたら、そんなに甘くはなかった。初めは授業についていくだけで精一杯でした。
編集部
パターンに興味を持ったのはいつ頃から? 得意だったのですか?
吉崎
最初はファッション企画に興味があったんです。不器用だったんで、実際に服をつくるより企画のほうが自分には合っているような気がして。でも1・2年の授業で服づくりをしたらだんだん楽しくなって、のめり込んでしまいました。だけどパターン制作は苦手で、初めは好きじゃなかったんですよ。それがやっているうちに慣れてきて、3年生くらいからコツがつかめるようになるとおもしろくなっていった。
編集部
何かきっかけはあったのですか?
吉崎
ゼミの先生に「私の強みを教えてください」と聞いたら「イメージを立体化することが得意そう」と言っていただいたんです。それで自信が持てるようになり、技術が身についてくると苦手意識もなくなりました。服のデザインをイメージするとパターンが浮かんでくるようになり、夢中になっていった。
編集部
パターンって緻密な作業ですよね。そこにおもしろみを感じたのですか?
吉崎
そうですね。パタンナーってすごく職人的な技術が必要な仕事で、それが格好良く感じて憧れるようになりました。卒展では、規制に捕らわれないパターンを研究して17着の服を制作しました。
編集部
これからの目標を教えてください。
吉崎
パタンナーとしての技術をもっと磨いていきたい。いつか自分のブランドをつくることが目標です。
編集部
シンプルな黒一色の服で現れた吉崎さんは、アパレル系の職業人としての繊細さが感じられる佇まい。落ち着いた語り口で、質問に対してゆっくりと誠実に答えてくれる姿が印象的でした。服づくりが未経験なところから学びを深め、服づくりに真剣に取り組み、自分のやりたいことが明確になってパタンナーへと辿り着いた吉崎さん。近い将来、オリジナルブランドを世に出す日がくることを楽しみにしています。