インタビュー
2025.01.09
建築・環境デザイン学科
多くの人たちに見て使って、親しんでもらえる
「生きた建築」を設計していきたいと考えています。
※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。
大山 遥さん
環境デザイン学科 リノベーションコース
鹿島建設株式会社内定
- 編集部
- 神戸芸工大に入学を決めた理由は?
- 大山
- 子どもの頃からものを作ることが好きで、工作などを楽しんでいるうちに商業ビルや美術館、博物館といった多くの人に影響を与える建築物や建築設計に興味を持つようになりました。神戸芸工大は、以前学園都市に住んでいたこともあって馴染み深い学校だったこと。また、建築だけでなくほかの芸術分野も広く学べる環境が整っていることが、まずは建築を軸に色々なジャンルの知識を蓄えたいと考えていた自分にぴったりだなと感じたからです。
- 編集部
- いくつかの選択コースの中からなぜ「リノベーション」を選んだのですか?
- 大山
- 1〜2年生で建築の基礎を学ぶことができたので、3年生ではそれまでの設計実習とは違ったことに挑戦したい!と思い、リノベーションコースを選択しました。それまでに教わっていた、自分のアイデアを一からかたちにしていく設計実習とは違い、リノベーションでは存在する建物への深い理解と自由度が少ないなかで発想し、かたちにする力が求められます。難しくもありますが、学びもきっと多いはずと考えました。
- 編集部
- リノベーションの授業で印象に残っている授業はありますか?
- 大山
- 現存する集合住宅に行き、建物の構造を調べる機会がある授業です。木造建築のリノベーションでは、その構造を理解して読み解くことが不可欠で、壁の内側を想像しながら建物を読み解いていくのが面白かったです。対象となった住宅では、思っていたより天井の高さが低かったり、段差が大きかったりと、体感しなければ読み取ることのできない出会いの連続でした。現地調査の大切さを知ることができたことが、大きな学びでした。
- 編集部
- 今見せていただいている作品も、リノベーションコースの課題で作ったもの?
- 大山
- はい。3年生の後期に「実際にある集合住宅の一部のリノベーション設計を行う」という課題で、2階建ての集合住宅の1階と2階を階段で繋ぎ、学生向けのシェアハウスにリノベーションする提案を行いました。坂の途中に建っていることから、2階部分が周りの建物よりも高い位置にあり、日当たりが良く開放的な環境だったので、そこをみんなで共有できる広々としたリビングに。5部屋ある個室は、人が住んでいないときは仕切りを外して共有スペースに変えられるなど、フレキシブルな空間作りを意識しています。前の屋根に隠れて光が届きにくい一階部分は、お風呂場の壁の一部をガラスにして自然光を取り込んだり、廊下や奥の部屋まで光が届くように動線や窓の配置にも工夫を凝らしました。
授業の最後のプレゼンでは、不動産会社の社長さんにも聞いていただく機会がありました。学外の方に自分の提案を伝えるのは初めての経験でしたが、複数のイメージ画像を用いたり、図面に細かく書き込んだりする工夫を行った結果、いい評価をいただくことができました。
- 編集部
- ほかに印象に残っている授業や作品制作はありますか?
- 大山
- 3年生のときの大学祭でのプロジェクトに、代表として参加したことですね。神戸芸工大では、大学祭での3年生学科展示として、自分たちで決めたコンセプトをもとに、展示空間の設計から課題作品の展示を行っています。私たちは従来の模型の展示に加え、VR を用いた企画を提案。過去に三宮の「サンキタ広場」を自分ならどう設計するかという授業があり、そのときに作った課題を3Dデータ化して、実際にその広場を訪れたような体験ができるコーナーを作りました。このような展示を行うのは初めてだったので、うまくいかないことも多くありましたが、VR映像について研究されている先生方にも協力していただき、実現することができました。来場していただいた方も身近な広場であったため、興味深く体験していただけたことも嬉しかったですね。
- 編集部
- では、就職活動はどのように進めましたか?
- 大山
- インターンシップや説明会参加などの活動を始めたのは、大学3年生の夏休みからです。大学での学びや学生生活を通じて、考えを形にして実現させる設計の面白さを改めて実感し、建築の設計職に進みたいと考えていました。住宅設計やリノベーション、まちづくりなど様々な授業を経て、たくさんの人に見て、使ってもらえる商業施設や大型建築の設計に携わりたいと思い、その分野に強い会社のリサーチを進めていきました。
- 編集部
- 現在の内定先を志望した理由は?
- 大山
- 先生からの紹介がきっかけです。自分が志望していた大規模な建築設計に携われることや、設計と施工の結びつきの深さに感銘を受けて、挑戦することを決めました。また、鹿島建設は設計・施工のほかに先進的な技術の研究にも力を注いでいて、それを使った建築の設計にも携われるところにも魅力を感じました。
- 編集部
- 就職活動中で役立った、大学の学びや経験はありますか?
- 大山
- 大学では課題ごとに先生や学生の前でプレゼンを行う機会があり、回数を重ねることで、自分の考えを言葉にまとめて、人に伝える力が培われました。人前で話す経験を積んだことで、面接の時にもあまり緊張せずに自分の思いをしっかりと伝えられることができたかなと思います。また、在学時に学生主体のプロジェクトやコンペによく参加していたことで、自然と行動力や計画力が付いたのもよかったですね。インターンや説明会といった自主的に参加しなければならないイベントにも、臆せず参加することができたのは、その経験があったからだと思います。
- 編集部
- 内定先での現在の目標を教えて下さい。
- 大山
- 「自分が設計した建物を建てたい」という夢があり、今もそれを叶えるのが目標です。鹿島建設との面接でもお話したのですが、私は建築において、「つくる=施工」というプロセスが特に重要であると考えています。設計の際にも、「何を作るか」だけでなく「どのように実現させるか」など、多面的な視点から考えられる設計者になることが目標です。
イベント参加が難しい方へ。オンライン個別相談会や個別キャンパス相談会を実施していますのでお気軽にお申込みください。