インタビュー

2023.01.06

建築・環境デザイン学科

自分を含めさまざまな人の幸せを探求し
成長し続ける設計士を目指したい。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

石川 翔さん

環境デザイン学科 建築コース 4年

兵庫県立加古川北高等学校出身
積水ハウス株式会社内定

編集部
神戸芸工大に入学を決めた理由は?
石川
建築だけではなく、ランドスケープやリノベーション、都市計画など幅広い視点を学ぶことができるからです。もともと父が建築士だった影響もあり、歩いている時に家を見たり、こんな材料や構造を用いて建てられているんだと知れたりすることが好きで、環境デザイン学科で学ぶことを目指していましたが、他のデザイン分野にも同じく興味を持っていたので、他学科とも交流ができるというのは、神戸芸工大の良いところのひとつだと思います。
編集部
他に神戸芸工大を選んで良かった点はありますか?
石川
建物だけじゃなく、周辺環境まで巻き込んで設計にうまく活用していくという考え方が身に付いたことです。建物は自分の好きな形に作ればいいというわけではなく、建物周辺の地域環境や気候風土を上手に活かすことによって、建築する場所の特性に合った、より居心地の良い建物を作ることができます。建物を設計する際に、周辺環境や地域性を理解しプランに取り入れることが、どれほど大事かということを授業などで学べたのは大きかったです。
編集部
具体的にどんな授業が印象に残っていますか?
石川
「環境デザインプロジェクト」の一環として、神戸の街を海から山まで歩くというプロジェクトに参加しました。神戸は海と山が近いという地理的特性があることはもちろん知っていましたが、ただそこで生活しているだけではなかなか実感がわきません。実際に神戸の海から山まで約3kmを歩いてみることで、その距離感や街の風景がどう移り変わっていくかを、自分の目で見て肌で感じることができました。特に海から山側を見た時と、山から海側を見た時では感じ方が違ったことがおもしろかったです。
編集部
どういうふうに違ったのですか?
石川
海から山側を見た時は、建物が奥へ奥へとずらっと立ち並んで見えるので、奥行きを感じることで山がとても遠くにあるように見えました。でも山まで行って今度は海側を見てみると、海までの距離がもっと近くに感じたんです。おそらく海から見た時は視界が開けているからかなと考えました。
編集部
その経験は、作品制作に活かされましたか?
石川
「視界の抜け感」を意識して作ったのが、メディアスペースの課題作品です。ある時、三角形の模型を3つ組み合わせてみて、内側から写真を撮ってみたら、光の入り方がおもしろいと気付きました。そこで、三角屋根を重ねることによって、外から入ってくる光の落ち方や陰影の付き方、風の通り方、視線の抜け方など時刻によってさまざまな変化が起こる建物を設計しました。絶えず移り変わっていく時間の経過を克明に感じられるデザインに仕上がりました。
編集部
それでは、就活はどのように進めましたか?
石川
キャリアデザインという授業に参加し、友人と楽しく会話しながら自分自身を見つめ直すことで、まず自分の視野を広げることができました。この授業では、自身のキャリアデザインについて考えるのですが、他学科の友人と意見交換してみて、固定概念にとらわれず何事にも興味を持つ大切さを知れたことも良かったです。自己分析で自分には「変化に気付く力」があるとわかり、就活でもそれを自身の強みとしてアピールしました。
編集部
「変化に気付く力」とは具体的にどういったことでしょうか?
石川
例えば毎日通っている同じ道でも、今日はあの花が咲いているなとか、いつもと違う物が置いてあるなとか、ごく些細な変化に気付けるように常に意識していました。今ではほとんど意識することなく、小さな変化にパッと気が付くことができます。そういった毎日少しずつでも努力する姿勢は、向上心に繋がり、就活の時も発揮することができました。
編集部
そんな中で、内定先を志望した理由は?
石川
企業として少子高齢化や環境問題といった現代社会が直面している課題に対応するため、時代のニーズに合わせて挑戦と成長をし続けている点や、人々の暮らしをさまざまな側面からデザインできるという点に魅力を感じたからです。家というのは、お客様にとって家族団欒の時間だったり、休むための場所、生活に彩りを添えてくれたりする空間です。「衣食住」の「住」は、お客様一人ひとりの人生に密接に関わるものであり、さまざまな価値を与えることができると私は考えています。内定先はお客様の幸せのために、快適に生活を送るための住まいの研究や、構造強度の向上のための技術開発もおこなっており、その姿勢に感銘を受けました。
編集部
他にも魅力を感じた点はありましたか?
石川
チーフアーキテクトという制度により、一級建築士などの資格を取得した後もさらに設計士としてレベルアップを目指せる環境があることです。チーフアーキテクトになるには、単に質の良い設計を沢山行えばいいのではなく、お客様や同僚との関係性など人間力まで評価されます。仕事面でのスキルアップはもちろん、人間としても成長できる場所だと感じました。
編集部
最後に、現在の目標を教えてください。
石川
お客様だけではなく、共に働く仲間とも信頼関係を築き喜びを与えることで、お客様にとっても自分自身にとっても幸せを感じられるように成長し続けたいです。目の前の目標として今は二級建築士の資格取得を目指して、準備を進めています。高校生や受験生の皆さんには、自分の好きなことだけじゃなく、いろんなことに興味を持って、何事にも挑戦してほしいです。それがたとえどんな結果になっても、必ず自分の将来にとってプラスになると思います。