インタビュー

2023.01.06

生産・工芸デザイン学科

幅広い分野に挑戦してきたことで
未知の業界にも飛び込む勇気が生まれた。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

折口 幸祐さん

プロダクト・インテリアデザイン学科 プロダクト・カーデザインコース 4年

和歌山県 近畿大学附属和歌山高等学校出身
ジーク株式会社内定

編集部
神戸芸工大に入学を決めた理由は?
折口
プロダクトからインテリアまで、幅広い分野をひとつの学科で学べることに魅力を感じたからです。もともと絵を描いたりするのが好きで、デザインを学べる大学を探していたのですが、当時は「これを学びたい」という分野がはっきり決まっていませんでした。神戸芸工大は、入学後に一通りの基礎知識を身に付けたうえで、自分がより専門的に学びたいコースを選択できるのが良い点だと思います。
編集部
その中でプロダクト・カーデザインコースを選んだのはなぜですか?
折口
このコースなら、より幅広くデザインについて学べると思ったからです。例えば子供が遊ぶ玩具から、社会人が日頃「不便だな」「こうだったらいいのに」と感じている悩みを解決するデバイスまで、さまざまなデザインに携わることができます。コースの授業では、コンセプト立案からアイデア出し、プロダクトを使用するユーザーの想定、制作、そしてプレゼンまで、プロダクトデザインの一連の制作の流れを学びました。
編集部
実際にどのような作品を制作してきましたか?
折口
3年生の時に「玩具のデザイン」という課題があり、子供からお年寄りまで誰が勝ってもおかしくない公平性が魅力のオリジナルテーブルゲーム「LIMIT」を考案・制作しました。特にこだわったのは、ゲーム性のシンプルさです。誰でも楽しめるようにするためには、できる限り複雑さを排除した簡潔なルールと、説明がなくても玩具の形状から遊び方が直感的に理解できる、無駄のないデザインであるべきだと考えました。そこで、「棒を引き抜く」という動作だけで楽しめるゲームを考案し、そのシンプルさを引き立てるデザインはどんなものがいいかを検討しました。
編集部
最終的にはどのようなデザインに?
折口
透明なガラスの筒に3色の棒の束を隙間なく詰めただけの、わかりやすいデザインです。その分、指でつまみやすいように棒の先端を一本一本削って細くしたり、棒の色も派手な原色より落ち着いたブラウントーンで統一したりするなど、細部にこだわって作品を完成させました。いかに必要のない箇所や余分なものを削ぎ落とし、シンプルかつ魅力的なデザインにするか、というテーマは難しくもありましたが、プロダクトデザインの重要な課題に触れられた気がします。
編集部
他には、どんな経験が印象に残っていますか?
折口
神戸大学と共同で制作した「光る募金箱」というワークショップです。募金箱のデザインと制作を私たち神戸芸工大生が、それをライトアップするためのプログラミングを神戸大学の学生が担当するという内容で、完成した募金箱を使っての募金活動もおこないました。
編集部
共同制作はどのように進めていきましたか?
折口
まず2大学の学生が集まって、どんな募金箱にするべきかを話し合いました。道ゆく人が自ら募金をしたくなるデザインにするには、お金を入れるのが楽しくなるような仕掛けが必要だということになり、お金を投入すると光る募金箱を作ることになりました。
編集部
折口さんは共同制作の中で、どのような役割を?
折口
私はリーダーとして、各メンバーがそれぞれの得意分野を活かせるように仕事の割り振りを工夫したり、情報の伝達不足で作業が滞らないよう積極的に進捗を確認したり、完成イメージの共有に努めました。その甲斐もあって、実際に募金活動をおこなった際には多くの方から募金をしていただいたのと同時に、「とても学生だけで作ったとは思えない」といった嬉しいお言葉をたくさんいただきました。
編集部
では、現在の内定先を志望した理由を教えてください。
折口
就活を進めていく中でディスプレイ業界という内装や展示のデザインをおこなう仕事を知り、より広いジャンルのデザインに携われることに興味を持ちました。内定先は、その中でもさらに自由度の高い発想で空間をデザインしており、商業施設からホテル、飲食店など手掛ける対象も多岐にわたっていることに魅力を感じました。
編集部
現在の目標はなんですか?
折口
クライアントにも、自分が手掛けた施設を訪れるお客様にも喜んでいただけるような空間をデザインしたいです。ディスプレイ業界についてはまだまだ勉強する必要がありますが、就活を通じて何事にもまず挑戦してみようという姿勢が身に付いたので、新しいデザイン領域にも恐れず真摯に取り組んでいきたいです。