インタビュー

2023.01.06

生産・工芸デザイン学科

ファッション業界の環境問題を学び
活動を通じて人々の価値観を変えたい。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

堀江 優太さん

ファッションデザイン学科 ファッション企画コース 4年

兵庫県 姫路市立飾磨高等学校
株式会社ルークヴァラガン内定

編集部
神戸芸工大に入学を決めた理由は?
堀江
建築系の学科を探している時に神戸芸工大を見つけオープンキャンパスに参加したんですが、実はファッションが学べる学科もあることを知って、ここに入りたいと思いました。もともとファッションは好きでしたが、仕事にできるとは考えていなかったんです。でも、神戸芸工大なら服作りだけじゃなく、ファッションの素晴らしさをどう伝えるか、ファッションでどう人や社会に働きかけるか、ということも学ぶことができるので、それなら仕事にできると感じ、入学を決めました。
編集部
入学したタイミングで、将来はファッション関係の仕事に就こうと?
堀江
そうですね、その時に決心しました。でも好きなことを仕事にするのって難しい側面もあると思います。本当に仕事として関わるなら、ファッション業界の問題点や改善していかなければならない点と向き合う必要があります。神戸芸工大なら、そういった多角的な側面からファッションについて学ぶことができます。
編集部
特に印象に残っている授業は?
堀江
カメラの使い方や撮影についての基礎を学べた「ファッション写真」の授業です。ファッション業界も現在はオンラインでの販売やショーが主流になっていて、いかに服を正確に、かつ魅力的に撮影して写真で伝えるかが重要となっています。また「スタイリング」の授業では、いろんなロケーションやTPOに合わせた服をスタイリングして撮影する、ということをおこないました。逆に先に服を指定され、例えば「テーラードジャケットを着用する」といったテーマを与えられて、同じ種類の服を着ていてもそれぞれの個性が表現できるようなスタイリングをおこなう、といったことも経験し、自分にとって大きな成長に繋がりました。
編集部
どんな成長が感じられましたか?
堀江
撮影場所が先に決められていて、そこからスタイリングを考えるというのは、今までしたことのない初めての経験だったので、スタイリングについてのいろんな考え方が身に付き、視野が広がりました。実際にスタイリングして撮影した写真をグループごとにSNSに投稿してフォロワー数を競うなど、学内だけじゃなく学外からも評価が得られることで、社会に開けたファッションについて考える機会になりました。
編集部
社会とファッションの関係性について、他にどんなことを学びましたか?
堀江
ファッション業界ではファストファッションの台頭による労働力問題や、衣料廃棄による環境問題が大きく取り上げられていることを知りました。このまま問題が解決しなければ、いつかファッションは「悪」として人々の暮らしや文化から排除されてしまうかもしれない。大好きなファッションの未来を守るためにも、サステナブルな解決策を見出せないかと、自分たちで考え活動を開始しました。
編集部
具体的な活動内容は?
堀江
廃棄された服をリメイクして、付加価値をつけ再び販売する「オンライン古着屋」です。縫製が得意な人、染色が得意な人などに自分で声をかけてメンバーを集め、古着をリメイクしてもらい、SNSやWEBサービスを利用してオンラインで販売しました。いろんな人に参加してもらったのは、適材適所で得意分野を活かしてもらうという意図もありましたが、自分一人ですべてやってしまうのではなく、できるだけ多くの人に衣料廃棄問題について知ってもらって考え方に共感してもらいたかったからです。
編集部
そのためにはどんな工夫を?
堀江
ただリメイク古着を販売するだけではなく、買ってくれた方や目に留めてくれた方に自分たちの活動内容を説明して、ファッション業界が抱える環境問題についての考え方などを伝えるようにしました。活動を通じて強く感じたのが、自分一人が動いたところで、この世界的な問題を簡単には解決できないということです。必要なのは、個人個人の考え方を変えていくこと。少しずつでも「服をすぐには捨てない」「リメイクや古着なども利用して、服を大切にする」という考えが一人ひとりに広がってくれれば、と思っています。そのためにも自分もファッションに仕事として関わり、一人でも多くの人の価値観を変えていきたいと感じました。
編集部
就活では、はじめからファッション業界にしぼっていましたか?
堀江
4年間神戸芸工大でファッションについて学び、改めてファッションを仕事にしたいという気持ちが固まっていきました。最初は就活がなかなかうまく進められませんでしたが、自分が大学でやってきたことや、ファッションについての想いや考え方には自信を持っていたので、採用面接では自分らしさをどんどん出すようにしました。
編集部
現在の内定先を志望した理由は?
堀江
大企業ではないからこそ、ファッションに関するさまざまな経験ができ、より業界の最前線に立って仕事ができると感じたからです。例えば大手販売会社やメーカーでは、販売スタッフや店舗マネージャー、バイヤー、マーチャンダイザー、経理関係など、それぞれの仕事内容によって担当が分けられています。自分の場合は資金繰りからバイイング、マネージメント、店舗の管理や販売など、すべてに関わって経験したいと思っています。
編集部
将来の目標は?
堀江
独立して自分で店を持つことです。そのためにはまず接客技術を磨き、オンラインやSNSでの活動もおこなって、より多くの人にファッションの素晴らしさを伝えられるようになりたいです。自分が好きなファッションはメジャー向けというよりもマイナーな方向性なので、パッと見ただけでは多くの人に興味を持ってもらいにくいと思います。だからこそ、伝える力を鍛え、自分自身しっかり情報収集してファッションのトレンドをおさえながら、ちょっとでも服が好きだと思ってくれる人の、ファッションへの気持ちを「1」を「10」にできるように努力し続けたいです。