インタビュー

2020.07.22

メディア芸術学科

演出家を目指して、ひたすら絵コンテを描き、
映像表現の可能性を追求していきたい。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

山崎 創羽さん

映像表現学科 アニメーションコース 2年

兵庫県立神戸工業高等学校出身

編集部
神戸芸工大を選んで良かったと思うのはどんな点ですか?
山崎
実際にアニメ制作会社で使用されている「レタススタジオ」や「アフターエフェクト」といった専門的なソフトを使って、制作できるところです。アニメ業界を目指す人間にとっては、実践的なスキルや知識が身につく良い環境が整っています。
編集部
先生方については、いかがですか?
山崎
皆さんアニメーション業界で活躍されている方ばかりで、客員教授の方も大勢いらっしゃいます。アニメ制作は作画、背景、仕上げ、撮影といった、多くの作業工程を分業で行っているので、先生方もそれぞれの得意分野を活かした授業や課題を出してくださいます。アニメ制作のいろんな面に触れることで、自分が好きだと思う分野を見つけやすいのも、神戸芸工大の魅力です。
編集部
1年生の頃と比べ、ご自身に変化はありましたか?
山崎
入学して最初の頃は、絵とは写実的にリアルに描くことがすべてだと信じ、完璧主義的なところがありました。でも、1年生後期に入って実際にアニメ制作が始まり、「手を抜く」ということを覚えました。
画面すべてを描き込むのではなく、見る人の目が行くところは描き込んで、そうでないところは自然に絵の密度を下げる。アニメ制作の作業には時間的制約が付きまとうので、効率化を図るという意味合いも込め、けじめをつけることが大切なんだなと。アニメ作品を見たり、自分で絵コンテを描いたりしているうちに、見ている人はどこに目が行ってるんだろうと、見る側の視点を考えるきっかけになりました。
編集部
これまでで印象に残っている授業について教えてください。
山崎
1年生後期の「アニメーション制作基礎Ⅱ」がおもしろかったです。4コマ漫画をアニメにした感じの4カットアニメーションの制作や、こんなものを作ってみたいと思うものを、絵と文章で説明するイメージストーリーの課題など、楽しく取り組めました。
「デッサン基礎実習」という授業も印象的でした。木炭を使ったデッサンが新鮮だったし、油性ペンと水彩絵の具を使った風景画も勉強になりました。
編集部
それらの授業は、アニメ制作に活かされていますか?
山崎
木炭でのデッサンのモチーフは、古代ギリシャ神話に登場する神の石膏像だったんですが、その複雑な形状をデッサンすることで、影やハイライト、反射光のでき方を理解することができました。その知識はアニメキャラクターの描写にも通じるものがあり、影を描く時などに役立ちます。
風景画は、限られた時間の中でラフに描いて仕上げるイメージボードや美術設定の練習に適していると思います。
編集部
現在はどのような作品制作をしていますか?
山崎
2つの作品の絵コンテを描いています。そのうちの1つは学祭上映の企画として、実行委員会に提出しました。アニメーションコースの学生の投票で上映作品を決定するもので、採用はされなかったんですが、オリジナルの企画をたくさんの人に見てもらえて、自分がどういったものを描くのか、世界観や感性を知ってもらうことができたと思います。人に見てもらえるという期待感が、次の作品づくりへの意欲につながります。
編集部
誰かと合同で制作を行う機会もありましたか?
山崎
1年生後期に自分を含めて3人のグループで作品制作を行いました。一人で制作する時は、カメラワークやキャラクターの芝居などの細かい設定があっても、自分さえわかっていればいいのですが、合同制作の場合、他の人にもわかるようにしないといけない。アニメ制作は基本的に大勢での共同作業になるので、重要なことを目につくところに書いておいたり、きちんと説明したりする必要があるとわかりました。今後、2・3年生合同で制作する演習が始まるので、全力でがんばるつもりです。
編集部
では、将来やりたいことを教えてください。
山崎
アニメの演出です。そのために家では課題をこなしながら、ひたすら絵コンテを描き続けています。カメラワークや効果だけに限らず、いろんなものを駆使した映像表現の可能性を追求していきたい。特撮映画のような迫力ある画面構成や、アニメなのに実写的な見せ方をするのが好きなので、そういった方向性の演出家を目指しています。