インタビュー

2020.01.28

メディア芸術学科

神戸芸工大で学び、
自分の世界観が広がった。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

堀 有里子さん

まんが表現学科 コミックイラストレーションコース 4年生

兵庫県松蔭高等学校出身
晴香堂株式会社内定

編集部
まんが表現学科を志望した理由を教えてください。
私は中高生の頃からイラストやまんがを描いていて、大好きな世界をさらに専門的に学びたくて、まんが表現学科を志望しました。
3年次のコース選択では、ストーリーまんがとコミックイラストレーションのどちらを選ぶか迷いましたが、背景画の技術を高めたくてコミックイラストレーションコースを専攻。それまではキャラクターを中心にしたイラストやまんがを描いていたので、背景画を学ぶことで自分の世界観を広げたいと考えてコースを選びました。
編集部
実際に学んでみて感じる、まんが表現学科の魅力は何ですか?
学生5〜6人に対して先生1人が付きっきりで指導するという少人数制で、きめ細かくアドバイスしていただけるのが魅力。1・2年次はまんがだけでなく、イラストやアニメーションなどさまざまな作品制作に挑戦できるので、いろんな表現法を身につけることができました。
まんが表現学科で発行している雑誌『トビオ』に作品を掲載したり、出版社の人が講演してくださる授業で作品を添削いただいたり、たくさんの貴重な経験ができることも魅力に感じます。
編集部
大学入学前からまんがを描いていたとのことですが、4年間の学びでまんがの描き方に変化はありましたか?
自分自身で成長したと感じることはありますか?
入学前は独学でまんがを描いていましたが、授業で背景の描き方や画材の使い方、ストーリー展開、コマ割りなど専門的なことを学び、読者を惹きつける表現を追求できるようになりました。まんがを描くうえで、背景画がいかに大切かに気づいたのも、大学で学ぶようになってから。背景をしっかり描くことで、作品の世界が広がりストーリーにも奥行きが感じられるようになった気がします。
編集部
背景画が大切だと気づくきっかけになった作品はありますか?
背景画の重要性を実感したのは、2年生の課題で描いた短編まんがです。主人公が記憶を辿ってさまざまな場所を訪れる作品だったので、資料を集めて写真などを見ながら街並みや風景などの背景を丁寧に描きました。細かな描写は時間がかかって大変でしたが、表現したい世界に深みが増し、背景を精密に描き込む楽しさも発見した作品です。
風景写真を参考に背景画を精密に描き込んだ作品は、1シーンからもストーリーの広がりを感じる。
編集部
たくさんのイラストやまんがを描いてきた堀さん、卒展ではどんな作品を制作したのですか?
私は可愛い女の子を描くのが大好き! だからターゲットを小学生に絞り込んで、小学生の女の子が好きな色やファッション、憧れの職業などを調査して、読者の興味を惹く要素を取り入れた恋愛ファンタジーまんがを制作しました。中学生の女の子が妖精の力を借りてお菓子づくりをする話で、実際に自分でもケーキをつくって絵になるシーンを研究しました。特に気を配ったのは、主人公の女の子の可愛さ。ファッションや髪型の細部にまでこだわって「可愛い♡」を追求しました。
卒展のまんが作品は、主人公の女の子のフリルやリボンを多用した可愛いファッションに注目!
編集部
デザイナーとして企業に内定したそうですが、デザイナーを志望した理由は?
内定をいただいたのは芳香剤の開発・製造・販売をしている企業です。大学のキャリアセンター室からの紹介で企業説明会に参加したとき、「デザイナーは商品の企画からデザインまでトータルプロデュースする仕事」と聞いて、興味を持ちました。私はイチからものづくりをするのが好きなので、ぜひ挑戦したいと思って応募したんです。パッケージデザインをする際にはイラストを描くこともできるので、大学で身につけた技術をデザインにも活かしたいと思います。
得意な女の子のキャラクターイラストをはじめ画力をアピールできる作品をファイリングしたポートフォリオ。
編集部
最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
絵を描くことが好きな人が集まっているので、共感できることが多く、話が尽きません。学生それぞれに好きなまんがやイラストが違うので、いろんなタイプの作品に触れられるのも楽しいことです。興味があることにどんどん挑戦できるのが、神戸芸工大の魅力。私は教職課程を取っていたので、アート・クラフト学科の授業を受けて陶芸や彫刻にも挑戦しました。興味のあることには、何でも挑戦して自分の可能性を広げてください。
編集部
2年生から4年生まで毎年『トビオ』にコミックイラストレーションを投稿して掲載作品に選ばれてきた堀さん。教職課程を取りながら、サークルやボランティア活動にも参加し、さまざまな経験をしながら視野を広げてきたと言います。そうした忙しい日々のなか、卒展のまんが作品も制作。今年の卒展は、手描きPOPも飾って本屋のような空間をつくり上げるそうです。好きなまんがを探しにいくような気持ちで、みんなの作品を手に取って読み比べてみてください。