インタビュー

2020.01.21

生産・工芸デザイン学科

空間デザインから
家具づくりへと興味が変化。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

有賀 蘭那さん

プロダクト・インテリアデザイン学科 インテリア・家具・木工コース 4年生

兵庫県立須磨友が丘高等学校出身
カリモク家具株式会社内定

編集部
プロダクト・インテリアデザイン学科を志望した理由を教えてください。
有賀
インテリアへの興味から空間デザインを学びたくて、プロダクト・インテリアデザイン学科を志望しました。1年の授業で家具や木工雑貨をつくっているうちに、大きな機械を使って自分の手で日常的に使えるものを自由につくり出せる木工に夢中になり、インテリア・家具・木工コースを専攻しました。
編集部
実際の学びを通して感じる、インテリア・家具・木工コースの魅力は何ですか?
有賀
本格的な家具づくりもできる大型機械が充実していて、家具から雑貨まで実際に暮らしの中で使えるクオリティの高い作品を自分でデザインできることが何よりの魅力。少人数なので機械の使い方を丁寧に指導してもらえるから、さまざまな加工技術が身につきました。
編集部
家具から木工雑貨までこれまで制作した作品の中で、ターニングポイントになった作品はありますか?
有賀
「片付ける」という課題で制作した、スタッキングチェアが私のターニングポイントになった作品。図書館でスタッキング家具について調べるなかで積み重ねる構造に興味を持ち、卒展作品にもスタッキングの構造を取り入れました。初めは単純にものづくりを楽しんでいただけが、課題での作品制作を通して、家具の構造や樹種によって異なる木材の性質など、興味の幅がどんどん広がっていきました。
スタッキングの構造に興味を持つきっかけになった作品。紐を巻き付けた座面はお尻にフィットする座り心地。
編集部
家具づくりを通してたくさん学び取ることがあったのですね。
他にも、4年間の学びで成長したこと、気づいたことはありますか?
有賀
製図をするためのCADの技術、木材加工技術、大型機械の扱い方のほか、就活でのポートフォリオ制作のためにレイアウトやロゴ制作、カメラの技術も身につけることができました。
また、ワークショップに参加したり作品制作の木材を買ったりすることで、学外の人と接する機会が増え、社会人とのコミュニケーションスキルも磨かれていったと思います。とにかく挑戦してみないことには何も進まないことを、大学生活で実感しました。
編集部
木工技術がかなり上達した有賀さん。卒展ではどんな作品を制作したのですか?
有賀
卒展のテーマは「間伐材を用いた量産型木製家具の検討と制作」。間伐材に興味を持ったのは、先輩の誘いで参加したワークショップがきっかけです。森林の成長を促すために伐採される間伐材の利用価値が低いことを知り、間伐材を有効活用する方法を検討。六甲山の間伐材を使って、量産できるスタッキングチェアを制作しました。
間伐材でつくった卒展作品のスタッキングチェアは、重ねたときに座面が美しくらせん状になるように工夫したとのこと。
編集部
家具づくりを通して木材資源についてまで関心を深めたのですね。
内定した企業も家具を扱っている会社ですか?
有賀
木工で身につけた技術や知識を活かせる仕事に就きたくて、木製家具で有名な会社を志望して設計部門で内定をいただきました。私は卒展作品で間伐材の活用法に取り組んでいたこともあり、木材を無駄なく使い切る家具づくりを行っている企業姿勢にも共感して選んだ会社です。
ポートフォリオに掲載した木工雑貨作品は、インテリアにもなる大人も楽しめる積み木。
編集部
最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
有賀
木工は実際につくってみないとわからないことがたくさんあります。家具づくりなんて入学するまで経験がなかったので、図面はできてもいざ制作すると技術が足りなくて上手くいかないことも。でも経験を重ねることで、できることが増えていきます。
入学当時は自分が家具づくりにハマるなんて思ってもいなかったけど、興味を追求していくことで道が開けていきました。皆さんにも、未経験のことに挑戦する楽しさを味わって欲しいです。
編集部
大学で木工の楽しさを知り、ものづくりにのめり込んでいった有賀さん。木工を通して間伐材に興味を持ち、木材を有効活用する方法にまで関心を深め、その気持ちが就職にもつながっていきました。
プロダクト・インテリアデザイン学科の卒展のみどころは、家具や雑貨から、照明、車まで多種多様な作品が見られること。手で触れられる作品もあるので、じっくり楽しんで欲しいと語ってくれました。