インタビュー

2020.11.24

建築・環境デザイン学科

「制限のある中で挑戦することが面白い。」
あきらめられなかった設計に関わる仕事、
その強い思いの原点。

※学科・コース名称・学年はインタビュー当時のものです。

山口 謙太さん

環境デザイン学科 4年

兵庫県 神戸市立科学技術高等学校出身

編集部
神戸芸工大の魅力は、どんなところですか?
山口
自分が所属している学科の授業以外にも興味があれば参加できるなど、多彩な選択肢がある点と、アートやデザインが好きな者同士が集まっていることで、学科を超えて刺激を与え合い、制作に取り組める環境である点です。自分は昔から建築や設計に興味があり、高校時代に学生の設計コンペに参加して入賞した経験があったことなどから、大学でもっと専門的に学びたいと思っていました。神戸芸工大を選んだのは、学生による案が実際に施工される設計課題があると知ったからです。
編集部
それは、具体的にどんな課題でしたか?
山口
まちづくり、ランドスケープ、建築、リノベーションの4つの分野から1つの課題を選択するもので、自分はリノベーション課題を選択しました。築30年以上のアパートの一室を実際に見学し、どんなリノベーションを提案するかを考えるというものです。狭い敷地の中でどこまで自分のアイデアを活かすことができるか、制限のある中での挑戦に面白さを感じました。一方でなかなか部屋の特性が見つけられず、自分らしさを表現するための発想が得られないなど難しさもありましたが、最終的には構造に特徴のある設計を行いました。模型の表現に力を入れ、納得できるものが作れたと思います。
編集部
印象に残っている経験はありますか?
山口
3年生の時に、学生主導で1、2年生と共に行うワークショップがありました。課題は「大学内に階段を設計すること」。班に分かれて敷地調査や設計を行い、最終発表では先生方や大学院の先輩方に講評をいただきました。日数の少ない中での作業で、後輩たちへの効果的なディレクションの方法や、設計を楽しいと思ってもらうにはどうすればいいかなど悩むこともありましたが、社会に出てからも役に立つ経験になりました。
編集部
就職活動は、どのように進めましたか?
山口
大学のキャリアセンターが主催している学内説明会や就活講座を活用し、スタッフの方に相談しながら就職活動に取り組んでいきました。公務員という進路も視野に入れ、公務員受験のための対策セミナーに参加し、面接の練習もしていただきました。現在の内定先は、大学の求人ポータルで見つけて連絡を取りました。
編集部
内定先を志望した理由は?
山口
公共建築や、大手事務所と組んで地域の建築に関わる仕事をしていること、設計技術向上のための研修を行っていること、最新のコンペ形式にも対応していることなど、新しいことを積極的に取り入れる姿勢に惹かれました。
実は一度、設計に関わる仕事をあきらめかけていた時期がありました。自分の限界を感じ、仕事としてやっていけるのか疑問に思ったからです。行政での制度設計にも興味を持っていたので、その分野への道も考えましたが、やはり設計に関わりたいという思いが強く、設計事務所への就職を決めました。
編集部
就職活動で役に立った、大学での学びはありますか?
山口
学科の授業で、自分の制作物を先生に発表する機会が多く、人前で自分の考えを伝える力が身につきました。発表も、1回目は構想段階、次に中間発表、そして最終プレゼンと、その都度先生からのアドバイスをいただけるので、順にステップを踏みながらブラッシュアップを重ね、クオリティーを上げることができたと思います。
編集部
神戸芸工大の受験を考えている方へ、メッセージをお願いします。
山口
自分が所属する環境デザイン学科では大きくは「建築」という枠組みを扱っていますが、その中にもさまざまな分野があります。入学してからは、自分が学びたいと思っていることに限らず、いろんな授業を受けてみてください。そうすれば必ず、今までとは違った新しい発見があります。それが自分の創作に直接影響することはないかもしれませんが、最初から自分の興味の幅を限定して、将来について考える際の視野を狭めてしまわないことが大切です。少しでも興味があれば、積極的に学んでいくことをお勧めします。